
日本の最西端へ
2024年、9月。
ようやく過ぎゆく仕草を見せた夏を、追いかけるように南へ飛んだ。
羽田空港から一路、那覇空港へ。
賑わうターミナルを横目に、人の少ない搭乗口へ乗り継ぎに向かう。
行先表示は「与那国」。かなり気持ちが上がるのを感じた。
プロペラ機に乗り込む。
那覇から与那国までは約1時間という短いフライトだ。


与那国島は、沖縄の八重山に数ある離島の内のひとつである。
教科書でその名前を目にした記憶がある方も多いだろう。何を隠そう、この与那国島は日本最西端に位置する国境の島なのだ。
降り立つと、とにかく暑い、暑い、暑い。空気が肌にまとわりつく。
もう9月なのに、この気候はまるで真夏へ時間遡行してしまったような感覚。



ちょうどいいバスの時間がないことに、着いてから気づく。
うーん、どうしようか。
ということで、メイン集落である祖納まで歩こう。
歩いていると、滝のように汗が出る。ぬるい空気に溺れそうだ。
歩き始めて数分で既に徒歩という選択を後悔し始めていたが、歩を進めるしかない。
ほうほうの体で30分ほど歩き続けると、ようやく町が見えてきた。
祖納集落だ。

町の中を少し散策。
おぉ……。想像よりも、断然栄えている。
町の大きさ自体はそれほどでもないが、比較的高さのある建物が集中した目抜き通りがあり、しっかりとした「町」の印象を受けた。

役場も立派だ。
さて、バスの時間が近づいてきた。
与那国島のバスは最西端観光という会社が運行しており、なんと運賃は無料。
地域の足として、23時台までダイヤがあるというから驚きだ。島民が飲み帰りに利用するためらしい。すごい。
さあ、バスに乗り込み島の西部にある久部良(くぶら)集落へ。



久部良集落。
祖納よりも漁港的な印象がある。
実際、漁協があったり、フェリーが発着するのもこの久部良である。
だんだん西日が強くなってきた。
ただ、日が沈むまではまだまだ時間がある。日没は18時過ぎらしい。
久部良に来たからには、行かねばならない場所がある。
そう、日本最西端のまさにその地だ。

また最西端へ向けて、てくてく歩く。
入り江の向こうに見えるあの灯台が目的地だ。
それにしても海が美しい。

土俵……?
なぜ……?気になる。
すぐ近くに神社があったから、その関係だろうか。
沖縄、それも離島で神道的な鳥居があるとなんだか違和感があって、面白い。

案内板を見たところ、ここは金刀比羅神社らしい。
こんぴらさんは海の神様であるから、久部良にあるのは納得できる。

さらに歩く。
右手に日本最西端、西崎灯台の案内が見えてきた。

道中、振り返ると海が見えた。
海が見える道が好きだ。
カメラを向けて少し圧縮すると、道と海がぐっと近づいてくれて嬉しい。


だんだん日も落ちて、少しは過ごしやすい気温になってきた。
のんびり坂をのぼって、到着。
ここが最西端、西崎だ。
「西崎」と書いて、「イリ崎」と読む。


遂に最西端の地へ到達。
実は半年前、石垣島のフェリー乗り場まで行ったにもかかわらず諸事情で与那国島へ渡るのを断念したことがあった。
今回の訪問は、そのリベンジだったともいえる。
この石碑を見て、半年前の無念をようやく果たすことができたように思える。
来てよかった。
西崎はとても気持ちがよくて、結局30分ほどぼーっと過ごしていた。
さて、散歩しながら宿へ戻ろう。






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