日本の離島を旅しよう。

【東海汽船・橘丸】就航率60%、海路で東京随一の秘境、青ヶ島へ。①竹芝桟橋〜八丈島


東京都随一の秘境として名高い伊豆諸島・青ヶ島。

最近はその名を目にする機会も多くなってきた気がするが、皆さんは青ヶ島への行き方をご存知だろうか?


まず最初にお伝えしたいのが、青ヶ島が二次離島であるということ。
二次離島とは本土から直接アクセスすることができず、別の離島を一度経由しないと到達できない島のことを指す。

青ヶ島の場合、一度八丈島を経由しないと辿り着くことができない。

そしてそこからのアクセスは2通り。
1つ目は八丈島からヘリコプターで青ヶ島へ行く空路ルート、そしてもう1つが八丈島から船で行く海路ルートになる。

青ヶ島は港や島の立地条件的に就航率が非常に低く、年間を通すと50〜60パーセントともいわれる上陸難易度のかなり高い離島である。

そのため、基本的に青ヶ島へ行く際はヘリの利用が推奨されている。

ヘリは船よりも天候条件に左右されづらく、確実に島へ行ける可能性が高いからだ。民宿によってはヘリが確保できていないと予約を断られる場合もあるほど、青ヶ島に行く際にはヘリの予約が重要になってくる。

青ヶ島のヘリポートに着陸するヘリコプター

ただここで1つ問題がある。
それはシンプルにヘリコプターの座席数が少なく、かなり予約が難しいことだ。

青ヶ島へ行くヘリは基本的に1日1便、ヘリコプターなので席数もわずか9席しかない。
これを予約するには、搭乗1ヶ月前の朝9時ぴったりに電話をかける争奪戦に参加する必要がある。これがなかなか厳しい。
まず電話が繋がらないのは当たり前、何度も何度も掛け直してようやく繋がったと思ったらもう満席‥‥‥という感じ。

直前キャンセルも出るには出るらしいが、確実に確保できるわけはない。

ただ令和7年10月から、木曜日に限り八丈島↔︎青ヶ島が往復1便ずつ増便された。
木曜日は狙い目かもしれない。参考までに。

というわけで今回はヘリ争奪戦に敗北し、船で青ヶ島へ向かった私の体験を写真記としてお届けしたい。

青ヶ島へ到達するためのファーストステップ、それはまず八丈島へ到達することだ。

常春の島として有名な八丈島。
黒潮の影響で年中比較的温暖な島だが、伊豆諸島、つまり東京の一部である。

伊豆諸島への玄関口となるのが、ここ浜松町。
東京タワーも近くに位置するような、都心中の都心である。

JR浜松町の北口改札を出て左へまっすぐ向かう。

浜松町のオフィス街を横目に道路沿いを歩いて行く。

ちなみに駅前から桟橋方面へはポートデッキ(歩行者用のデッキ)もあり、そこを通っても向かうことができる。

伊豆諸島行きの貨客船の出航は夜。

仕事終わりの残業サラリーマンたちの流れに逆らうように、島へ向かう乗客たちが海の方へ歩いて行く。竹芝桟橋へ行くまでのこの道が毎回わくわくして好きだ。

ライトアップされた帆が見えてきた。ここが島への玄関口、竹芝桟橋になる。

竹芝桟橋手前のファミリーマート。

客船ターミナルにも売店はあるが、それほど品揃えが多いわけではないので、必要なものがあればここで調達しておこう。

ここから信号を渡るといよいよ到着。

ここが竹芝客船ターミナル。

東海汽船が運行する伊豆諸島行きの船、小笠原海運が運行する父島行きの船はこの港から出航する。

到着したら、ターミナル内で乗船の手続きをする。

混雑時には時間がかかることもあるので、余裕を持った到着をお勧めする。
※学割などを用いないインターネット予約はセルフ発券機が使えるので、早くて楽。

ターミナルの上へ登ると、これから乗り込む船と東京の夜景を望むことができる。

夜景は綺麗だし船は格好いいしで、否が応でもテンションが上がる瞬間だったりする。

大島、利島、新島、式根島、神津島の航路を往くさるびあ丸。
三宅島、御蔵島、八丈島へ向かう橘丸。今回乗るのはこっち。

出航時間が来たら案内に従って乗船。

船へ入ったら、乗船券に記載された座席へ向かう。

客席の種類には2等から特等まであるが、私は雑魚寝の2等にしか乗ったことがない。
2等の枕は妙に四角くて高いので、不安がある方は代わりになるものを持参してもいいかもしれない。

また、毛布は1枚100円‥‥‥だったが最近値上げし、1枚200円で借りることができる。
何枚借りて、どう使うかはあなた次第。
上級者は寝袋を持ち込んで、快適な睡眠を実現していたりもする。

ちなみに、乗船時に使用した乗船券は下船時に回収されるため、なくしたり捨てたりしないように注意。
乗船券の枚数で乗客の人数を確認しているので、下船時にないと相当面倒くさいことになる。

もうそろそろ出航。

客室でのんびりしたり、甲板で写真を撮ったり、早くも酒盛りを始めたり。
乗客たちの過ごし方はさまざまだ。

ちなみに私は缶ビール片手に写真を撮っている。
これが楽しい。

出航時刻になり、ゆっくりと船が動き出す。

東京湾からのきらびやかな夜景。

この大都会から離島まで一本というのが、いつも新鮮でとても楽しい。

出航して船からの景色を眺めていると、すぐに立派な大橋が迫ってくる。
レインボーブリッジだ。

レインボーブリッジ通過はこの船旅でもかなりシンボリックなイベント。
通過前には船内に案内のアナウンスがかかり、今まで甲板にいなかった乗客たちもこの時ばかりは外に出てくる。

船が橋の下をくぐりぬける。
個人的には、この通過こそが大都会・東京と島嶼部・東京を分かつ瞬間であるように感じている。

レインボーブリッジをくぐり終えてしばらく経つと、乗客たちはぱらぱらと船内に戻りはじめる。

その後も船から景色を眺めていると、羽田空港を発着する飛行機や川崎・横浜の夜景なども目にすることができる。

だいたいいつもこの辺りで船内へ戻り、眠りにつく。

それではおやすみなさい。

2等船室で目を覚ます。しばらくぼーっとする。

昨晩よりも強まった船の揺れに順応したころ、のそのそと体を起こして甲板へ。

まばゆい朝の光に目が眩みながらも、海風を押し返すように力を込め、甲板への重い扉を開ける。

海の色は深い青。一気に別世界へやってきた感覚を味わう。

伊豆諸島の島々へ来るのはこれで何度目かわからないが、いまだにこの感覚は損なわれていない。

今回は起きるのが少し遅かったが、早起きして甲板に出て、水平線から昇る朝焼けを見るのも格別だ。それを見ながらカップラーメンを食べたっていい。そして二度寝。そうやって船旅をするのが一番楽しい。

今回の第一目的地である八丈島までは、三宅島、御蔵島の2島を経由する。

遠くの島へ向かうと、道中の島への着岸を見れるのも楽しいポイントだ。

八丈島への到着は朝の8時55分。

三宅島、御蔵島の港に着岸、離岸する様子を甲板から眺めながらのんびりと過ごす。
早く着きすぎず、焦る必要がないことが八丈島行きの嬉しい点でもある。

そのうちに船は八丈島に近づいてくる。

ここでひとつ不安が発生。

青ヶ島行きの船が出る出帆港の候補は2箇所ある。
1箇所目が島の東側に位置する底土港、2箇所目が西側に位置する八重根港
このどちらかから青ヶ島行きの船が出航する。

そして(伊豆諸島はどこも同じだが)運航の可否と出帆港が決まるのは当日の朝。
青ヶ島の場合は朝7時に決定する。

それは今乗っている橘丸も同様。
高い確率で底土港への到着だが、海上状況によっては八重根港へ着くこともあるらしい。

問題は時間だ。
橘丸の八丈島到着は8時55分、そして青ヶ島行きの出航が9時半

要するに、橘丸の到着港と青ヶ島行きの船の出帆港が異なった場合、わずか30分でもう一つの港へと移動する必要が出てくるのだ。


慌てて東海汽船のサイトをチェックすると、今回の到着港は底土港、青ヶ島行きの出発港は八重根港となっている。

サーッ、と若干血の気が引く感覚。

どうしよう、この問題は全く考えていなかった、いや気づいてすらいなかった。
とりあえずバスを調べるが、ちょうどよい路線は見当たらず。

港の間の距離はざっくり5kmほど、とても歩いて間に合う距離ではない。
となるとタクシーか、ということで船内から島のタクシー会社へ電話する。

船の到着に合わせて迎えに来てくれないかと話すも、「それはできないので、島についてから電話してほしい」と言われる。

時間的にはかなりギリギリそうだが仕方なくその言葉に従い、到着後にタクシー会社へ電話することにした。

あたふたしているともう八丈島に着く時間になっていた。

船の扉が開き、着岸作業に入る。
そこからはもうあっという間だ。船が港につけられ、タラップを渡って下船する。

八丈島・底土港に到着!

やっと着いた、と一息つきたいところだがそんな時間はない。
すぐにタクシー会社へ電話しタクシーを手配。幸い、すぐに来てくれるらしい。

タクシーを待つ間、やることもないので港をうろうろ。

底土港は八丈島を代表する大きい港で、客船ターミナルもとても立派だ。

こんなふうに写真を撮っている間も、内心かなり焦っている。

そわそわと落ち着きなくロータリーで待っていると、10分ちょっとでタクシーが来てくれた。
ちなみに急いでいるのでこの場面の写真はない。

青ヶ島行きの乗り場までお願いします、と言って後部座席に乗り込む。
運転手さんも慣れた様子だし、乗り継ぎの客はよくいるのだろう。

底土港から八重根の乗り場まではおよそ5km、車だとあっという間だ。
なんとか間に合った。

写真の小さな白い建物が待合所、乗船券は白い車で係員の方が販売してくれる。
乗船に予約は不要なので、その点は心配いらない。

購入完了!

2等で片道2950円。
それなりの値段だが、航路の過酷さを考えたらまあそんなものか。

海を見ている感じ、比較的穏やかそうだ。
無事青ヶ島に辿り着けそうで一安心。


次回は八丈島から海を渡って青ヶ島へ。



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